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この稀代の清王朝時代の花器は、かつては第3バクルー公爵夫人のエリザベス・モンタギューが保有した陶器コレクションの一部でした。彼女は19世紀初期の傑出した美術品収集家のひとりです。世界に現存する同様の花器4点セットは、現イギリス女王エリザベス2世がロンドンのバッキンガム宮殿に所有しているものだけです。
フォルム、大きさ、スタイルのすべてが印象的な「バクルー公爵の花器」は、有名な装飾陶器の傑作です。精巧に鋳造されて浮き彫りを施されたオルモルの装飾を、極めて珍しい手すり子の形をした中国陶器の花器に組み合わせ、永遠の継続と繁栄を象徴する仏教と道教の模様が描かれています。美術史上のオルモル装飾の起源は定かではありませんが、フランスの恐怖政治から逃れてきたフランス人芸術家がロンドンで始めたという説が有力です。「バクルー公爵の花器」には、オルモルを取り付けるための切り込みや穴は一切あけられていないことが、その芸術性と歴史的価値をいっそう高めています。
年代 |
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清王朝時代(1750年頃) |
サイズ |
高さ 130 cm |